高血圧って?

血圧って、何?

「血圧」というのは身体のなかの血管(動脈)の中を流れる血液の圧力(水圧)の事です。心臓は1回動くたびに小さく縮んで中にある血液を動脈に押し、次に静脈から血液を吸い上げて大きく膨らむという事を繰り替えして血液を送り出しています。つまり一拍ごとに押し出した瞬間の一番圧力が高い部分と押し出すのをやめて血液を吸い上げている時、つまり圧力が低い時ができるわけです。その高い方と低いところとをしらべて、たとえば120/70と表すわけです。

少し詳しく
血圧の上が120、下が70など言いますががそれぞれ血圧高い方の血圧を収縮期(しゅうしゅくき)血圧、低い方の血圧を拡張期(かくちょうき)血圧と呼びます。血圧はmmHgという単位で測るのはご存じだと思いますが、これは水銀血圧計で測った時その圧力が水銀をガラス管の中で何ミリメートル持ち上げる事が出来るかで表現されてきたからです。

血圧がいくらだと高血圧?

一日を通じて安静にしている時の血圧が140/90以上(上だけ、下だけでも)ならば「高血圧」です。 一方上が130以下で下も85以下の両方を満たす時は「正常血圧」、上が120以下で下が80以下の両方を満たす時は「至適血圧」と言います。
少し詳しく
誰しも運動したり、息んだり、緊張したりすれば一時的に血圧が上がりますから血圧を測る時は安静にして計らなければなりません。人間は機械ではありませんから精密に測れば一心拍ごとに血圧は変動するのが普通です、また不整脈があれば血圧はさらに大きく変動します。このため正確に測るためには数回の測定の平均を取る必要があります。
また血圧を評価する時に年齢や糖尿病などの持病の有無も考慮に入れる必要があります。

高血圧の原因

殆どの高血圧症は「本態性高血圧」と呼ばれ食塩の過剰、加齢、遺伝素因、生活習慣・生活環境などが組み合わさって起きる高血圧ですがなかには別の原因による高血圧症(二次性高血圧症)もあり、手術などで原因を取り除くことにより治すことができる高血圧症もあります。
  1. 原発性アルドステロン症(副腎から過剰にアルドステロンというホルモンが出るためにおこる、多くは手術が有効)
  2. 腎血管性高血圧症(腎臓へ血液を送る腎動脈に狭いところが出来るために起きる高血圧症、手術なども考慮される)
  3. 褐色脂肪腫、クッシング症候群(副腎などからそれぞれカテコールアミン系、コルチゾール系のホルモンが過剰に出るために起こる。手術などで治療)
  4. 腎実質性高血圧(腎臓の機能が障害されておこる。血液透析など)
その他にも色々な高血圧の原因があります。若くしておきる高血圧、他の症状を伴う高血圧、通常の治療がなかなか効かない高血圧ではこういった希な原因によっておきる高血圧の可能性を考えて検査する必要があるでしょう。

うえひら内科・ペインクリニック © Atsushi Uehira